イソパラフィン

イソパラフィンとは?

イソパラフィンとは、炭素鎖が枝分かれした飽和炭化水素(アルカン)の総称で、同じ炭素数でも直鎖構造のノルマルパラフィンに比べて低融点・低粘度・低臭気といった特徴を示します。分子鎖が枝分かれしている点も違いの1つです。

イソパラフィンの基本特性

  • 無色透明でほぼ無臭、水には溶けず有機物を良く溶かします。
  • 揮発性は炭素数で大きく変わり、低沸点グレード(例:Soltrol® 10)は引火点-11℃と高い可燃性を示します。
  • 中~高沸点グレード(例:Soltrol® 130)は引火点61℃前後で、第2〜第3石油類に分類されるため比較的安全に扱えます。
  • 表面張力が低く、浸透・濡れ性に優れるため洗浄や塗装希釈に適しています。

イソパラフィンの主な用途

分子の安定性と低毒性を活かし、次のような分野で広く利用されています。

  • 金属・精密部品洗浄剤
    塩素系溶剤の代替として金属脱脂や電子部品クリーナーに採用。
  • 化粧品・パーソナルケア
    エモリエント油剤や揮発性基剤としてクリーム・口紅・日焼け止めに配合。
  • 塗料・インキ・接着剤
    低臭シンナーとして樹脂を溶解し、乾燥後に残渣を残しにくいのが利点です。
  • 潤滑油・作動油
    低温流動性と酸化安定性を活かし、合成潤滑基油や電気絶縁油に使用されます。

環境への影響と規制

イソパラフィンは塩素や芳香族を含まず比較的環境負荷が低いものの、揮発性を持つため大気放出時はVOC(揮発性有機化合物)として扱われます。日本の大気汚染防止法ではVOC排出施設に対し濃度規制や改善命令が定められています。

  • EU REACH規則
    主要イソパラフィン製品はEU規則 No. 1907/2006 に基づき登録済みであり、SVHCにも該当していません。
  • 米国 TSCA
    既存化学物質インベントリに収載され、通常用途で追加規制は課せられていません。
  • 消防法区分
    低沸点品は第1石油類、高沸点品は第2・第3石油類として保管量や容器仕様が規定されます(引火点データは前述)。

イソパラフィンに対する環境対策

事業者によって、VOC排出削減とライフサイクル低炭素化を目的に下記のような対策が進められています。

  • 密閉式洗浄装置と溶剤回収
    蒸気回収や活性炭吸着で大気放散を抑制し、溶剤を循環再利用します。
  • GTL由来・生分解性グレード
    天然ガス合成(GTL)イソパラフィンは芳香族ほぼゼロで高い生分解性を持ち、環境対応型製品として採用が拡大しています。
  • 低VOC塗料・水系技術への置換
    塗料や接着剤でイソパラフィン量を適正化し、水系・ハイブリッド技術と併用して総VOC排出量を削減します。
  • 安全データ開示とコンプライアンス
    SDSの整備と規格適合(RoHS・Proposition 65非該当など)でサプライチェーン全体の安全性を担保しています。
【用途別】おすすめの溶剤回収装置3選

化学薬品工場や印刷工場、金属加工工場、塗装工場などさまざまな現場で使用されている溶剤。溶剤回収装置を活用することで、コスト削減、環境配慮、法規制への対応などさまざまな効果を得ることができます。
溶剤回収装置は、装置によって仕組みや処理の方法、対応可能な溶剤などが異なるため、現場の用途に合わせて選ぶのがおすすめ。ここでは3つのタイプをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

洗浄・脱脂・乾燥工程で発生する
VOCガスの溶剤回収なら
蒸気脱着式溶剤回収装置
(栗本鐵工所)
蒸気脱着式溶剤回収装置(栗本鐵工所)
引用元:栗本鐵工所
(https://www01.kurimoto.co.jp/co-lab/about/youzai.html)
おすすめの理由

VOCガス処理で50年以上の実績があり、粒状活性炭を吸着材に使用した装置で、濃度変動がある環境下でも95%の除去率(※1)を実現。リサイクルにも対応。

該当する主な物質

トルエン、キシレン、ベンゼン など

除去率(目安)

95%(※1)

反応・合成・洗浄工程で発生する
溶剤の排水回収なら
排水処理装置 ソルピコ
(日本リファイン)
排水処理装置 ソルピコ(日本リファイン)
引用元:日本リファイン
(https://n-refine.co.jp/service/environment/)
おすすめの理由

有機溶剤精製等の蒸留工程で実績とノウハウがあり、高回収率・省エネルギー型で低ランニングコストを実現。回収した廃液の引取り・精製にも対応。

該当する主な物質

水よりも沸点が低い、または、水と共沸点を持つ溶剤(アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類 など)

回収率(目安)
                               

99%~(※2)

反応・成形・合成工程で発生する
DMF排水の溶剤回収なら
DMF回収装置
(日本化学機械製造)
DMF回収装置(日本化学機械製造)
引用元:日本化学機械製造
(https://www.nikkaki.co.jp/products/detail/56)
おすすめの理由

一本塔の減圧濃縮方式と比べて、蒸気原単位が40%以上節減できる「多重効用蒸留方式」を採用。品質も安定しており、無色で純度99.5%以上のDMFを回収可能。

該当する主な物質

DMF など

回収率(目安)

99.5%~(※3)

(※1)参照元:栗本鐵工所公式(https://www01.kurimoto.co.jp/co-lab/about/test-machine.html
(※2)参照元:日本リファイン公式(https://n-refine.co.jp/service/environment/solpico/)※処理対象・運転条件等で異なる。
(※3)参照元:日本化学機械製造(https://www.nikkaki.co.jp/products/detail/18